土地を売却するには何が必要？必要書類を解説します

土地の売却は、人生における大きな決断の一つです。
特に、法的手続きに不慣れな方にとっては、必要な書類や手続きの複雑さに戸惑うこともあるでしょう。

この記事では、土地売却に際して必要な書類の説明と、それらを準備する具体的なプロセスを解説します。
 

土地を売却する際には、様々な書類が必要になります。

これらの書類は、売買契約の成立、所有権移転登記、税金計算など、売却手続きの各段階において重要な役割を果たします。

以下では、土地売却に必要な主な書類を具体的に解説していきます。

1: 権利証または登記識別情報通知書

権利証または登記識別情報通知書は、土地の所有権を証明する重要な書類です。

売主は、2005年3月7日より前に取得した土地であれば「権利証」、2005年3月7日以降に取得した土地であれば「登記識別情報通知書」を所有しています。

これらの書類は、買主への所有権移転登記を行う際に必須となるため、大切に保管しておきましょう。

2: 印鑑証明書

印鑑証明書は、売主が使用する印鑑が本人のものであることを証明する書類です。
登記申請の際には、印鑑証明書が登記申請日前3ヶ月以内に発行されたものであることが求められます。

市町村役場で取得でき、取得費用は一般的に300円程度です。

3: 住民票

住民票は、売主の現住所を証明する書類です。
印鑑証明書とは異なり、取得期限は特にありません。

市町村役場で取得でき、取得費用は一般的に300円程度です。

登記名義人の現住所が登記上の住所と異なる場合には、戸籍の附票等の住所の変遷が判明する書類が必要となります。

4: 固定資産評価証明書

固定資産評価証明書は、土地の評価額を証明する書類です。
所有権移転のための登録免許税を計算するために必要となります。

市町村役場で取得でき、取得費用は一般的に300円程度です。

固定資産評価証明書は、住民票と同様に取得期限は特にありませんが、年度が異なるものは使用できません。

登記申請日が4月1日の場合、前年度の3月31日に発行されたものは利用できないため、売却年度と合わせることが必要です。

土地売却には、上記以外にも、状況に応じて様々な書類が必要となる場合があります。

以下では、それらの書類について詳しく解説します。

1: 実測図

実測図は、土地の形状や面積を正確に表した図面です。

法務局に「地積測量図」が保管されている場合もありますが、手元にあれば用意しておきましょう。
実測図は、土地の境界確認や売買契約の際に役立ちます。

2: 境界確認書

境界確認書は、隣地の所有者との間で土地の境界線を明確にするための書類です。

隣地との共有塀の有無、管理方法、屋根やひさし、フェンス、塀、樹木等の隣地への越境、あるいは隣地からの越境の覚書などが含まれます。

3: 越境覚書

越境覚書は、隣地の所有者との間で、土地の一部が隣地へ越境している場合に作成される書類です。

越境の範囲や内容、管理責任などを明確にすることで、将来発生するトラブルを予防する効果があります。

4: 本人確認書類

不動産会社は、売主の本人確認を行う義務があります。
住所、氏名、生年月日が確認できる書類を1点以上用意する必要があります。
運転免許証、パスポート、マイナンバーカード、健康保険被保険者証などが本人確認書類として利用できます。

土地が共有名義の場合には、全員分の本人確認書類を用意する必要があります。

5: 建築協定書

建築協定書は、地域の住民が合意して作成した、土地の利用に関するルールを定めた書類です。

建築協定書が存在する場合には、売却前に確認し、買主にも開示する必要があります。

6: 地盤調査報告書

地盤調査報告書は、土地の地盤強度を調査した結果をまとめた書類です。
地盤調査報告書が存在する場合には、買主に開示する必要があります。
 

土地売却には、権利証、印鑑証明書、住民票、固定資産評価証明書などの基本的な書類に加え、実測図、境界確認書、越境覚書、本人確認書類、建築協定書、地盤調査報告書など、状況に応じて様々な書類が必要となる場合があることを理解しておきましょう。

これらの書類を事前に準備しておくことで、売却手続きをスムーズに進められます。

また、不動産会社に相談することで、必要な書類や手続きに関するアドバイスを受けられます。