相続した実家を売るときの手続きと注意点|失敗しないための完全ガイド
2025/07/17
親や親族が亡くなり、実家を相続することになったものの――
「誰が相続するか決まっていない」「遠方で管理ができない」「空き家のまま放置している」など、突然の相続に戸惑う方は少なくありません。
実家を「売却する」という選択は、維持管理の負担を減らすだけでなく、相続人間の金銭的な公平を保つ方法としても有効です。
しかし、不動産の相続と売却には独特の手続きや税金のルールが多く存在し、準備不足で損をすることもあるため注意が必要です。
この記事では、「相続した実家を売るときに必要な手続き」と「押さえておきたい注意点」について、ステップごとに丁寧に解説します。

STEP1|まずは「相続登記」で名義を変える
不動産を売却するには、登記簿上の名義人でなければなりません。
そのため、被相続人(亡くなった方)名義のままでは売却はできず、まずは「相続登記(所有権移転登記)」を行う必要があります。
【必要書類の一例】
・被相続人の戸籍謄本(出生から死亡まで)
・相続人全員の戸籍謄本と住民票
・被相続人の住民票除票
・固定資産評価証明書
・登記申請書
・遺産分割協議書(相続人が複数いる場合)
・委任状(司法書士に依頼する場合)
なお、2024年4月から相続登記が義務化され、相続を知った日から3年以内に登記を行わないと、10万円以下の過料が科される可能性があります。
STEP2|売却方法の検討と相続人の合意形成
相続人が複数いる場合、実家の売却には相続人全員の合意が必要です。
一部の相続人だけで勝手に売ることはできません。
【よくあるケース】
・相続人A:売却したい
・相続人B:思い出があるので手放したくない
・相続人C:遠方に住んでいて無関心
こうしたケースでは、「実家を売って現金化して分配する」か「誰か1人が住んで他の相続人に代償金を払う」かを話し合い、遺産分割協議書にまとめておく必要があります。
話し合いがまとまらない場合は、家庭裁判所に「遺産分割調停」を申し立てることになりますが、時間も費用もかかります。できるだけ早めに話し合いを始め、専門家(司法書士や弁護士)に相談することをおすすめします。
STEP3|物件の調査・査定・売却準備
名義変更と合意形成ができたら、次は「売却に向けた準備」に入ります。
【主な流れ】
・不動産会社に査定を依頼(相場を知る)
・現地調査・ヒアリング
・媒介契約の締結(一般 or 専任など)
・売却活動(ネット掲載、内見対応など)
相続した実家が空き家の場合、老朽化や荷物の残置、管理状況によって査定額が大きく変動します。
最低限の掃除や不用品の撤去、庭の手入れなどをしておくだけでも印象が大きく変わります。
また、荷物が多く残っている場合は、「遺品整理業者」や「不用品回収業者」に依頼するとスムーズです。
STEP4|売買契約~引き渡し
買主が見つかったら、次は「売買契約」の締結です。
【契約時の流れ】
・売買価格の合意
・契約書の作成
・手付金の受領
・契約後の引渡し準備(登記関係書類、鍵など)
この段階で、司法書士が登記関係の手続きをサポートするのが一般的です。
また、建物に不具合がある場合は、契約書に「現状有姿での引渡し」と記載することでトラブルを防げます。
なお、築年数が古く「価値がつかない」と判断された場合でも、土地だけで売れるケースもあるため、諦めず不動産会社とよく相談しましょう。
STEP5|税金や諸費用の精算・確定申告の準備
実家を売却して利益が出た場合は、「譲渡所得税」が発生する場合があります。
【譲渡所得の計算】
譲渡所得 = 売却価格 −(取得費 + 譲渡費用)
※「取得費」は相続の場合、原則として被相続人がその家を購入した際の金額となりますが、わからない場合は「売却価格の5%」として計算されることが多いです。
【節税対策】
相続した実家の売却では、「空き家の3,000万円特別控除」という特例が使える場合があります。
例えば、
・被相続人が一人暮らしだった
・昭和56年以前に建築された建物
・相続後に一定期間内に売却された
などの条件を満たせば、譲渡益から最大3,000万円を控除できます。
詳しくは税理士に相談することをおすすめします。また、売却翌年の確定申告も忘れずに行いましょう。
注意点|「感情」と「手続き」は別と考えること
相続した実家には、たくさんの思い出が詰まっている方も多いでしょう。
しかし「維持費がかかる」「使い道がない」「他の相続人とのトラブル」など、現実的な問題に直面することも少なくありません。
感情的な判断で放置せず、以下のような視点で冷静に判断することが大切です。
チェックリスト:
・維持管理ができるか?
・相続人同士で合意できるか?
・市場価値があるか?
・売却までのスケジュールを立てられるか?
不動産売却に慣れていない方こそ、信頼できる専門家に相談しながら進めることが成功への近道です。
まとめ|「知っていれば損しない」相続実家の売却
相続した実家を売却するには、法的な手続き、家族間の合意、税金など、さまざまな要素が関わってきます。
とくに感情的な問題と経済的な判断が絡むため、冷静かつ丁寧な対応が求められます。
相続で実家を引き継いだ際は、「登記の名義変更」→「売却方針の確認」→「不動産会社との連携」→「売却と税務処理」という一連の流れを理解しておきましょう。
少しでも不安がある場合は、専門家のサポートを受けながら、後悔のない選択をしてください。

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