不動産売却でかかる税金まとめ【譲渡所得・住民税・復興特別税】
2025/11/20
不動産を売却する際、多くの方がまず関心を向けるのは「いくらで売れるか」という点です。しかし実際には、“売却後にどれだけ手元に残るか” が最も重要です。
そしてこの手取り額に大きく影響するのが 税金 です。
不動産売却には、
・譲渡所得税
・住民税(譲渡所得割)
・復興特別所得税
という3つの税金が関わり、さらに 所有期間・特例・居住用・事業用・相続物件 などの条件よって税額は大きく変動します。
とくに、福岡市や糟屋郡、北九州・久留米など九州エリアでは、相続で受け継いだ空き家や実家の売却が増加しており、「税金を知らずに損をするケース」が実際に見受けられます。
例えば、同じ1,000万円の利益でも、ある人は税金300万円、またある人は税金70万円というように、条件次第で大きく差が出るのです。
本記事では、不動産実務の現場で多くの相談に耳を傾けてきた立場から、不動産売却でかかる税金の全体像をわかりやすく体系的に整理します。
「とりあえず今は理解したい」
「後から計画的に売却したい」
「相続物件をどう扱うか迷っている」
そんなあなたの判断材料になるよう、専門性と実務体験を交えて丁寧に解説します。

第1章 不動産売却の税金は“利益”にだけかかる:譲渡所得の全体像
不動産売却の税金で最初に理解すべきポイントは、
売却代金そのものに課税されるわけではない
ということです。
たとえば、
・2,000万円で売れた
・1,500万円で買っている
・必要経費が100万円
この場合、課税対象になるのは 「譲渡所得=利益」であり、売却代金ではありません。
1-1 税金がかかるのは「売却益」だけ
不動産売却の利益は以下の式で求められます。
■ 譲渡所得の計算式
譲渡所得 = 売却価格 −(取得費+譲渡費用)
この「譲渡所得」に対して、
・譲渡所得税(所得税)
・住民税(譲渡所得割)
・復興特別所得税(所得税に2.1%上乗せ)
が課税されます。
1-2 売却価格は“収入金額”であり、課税対象ではない
不動産売却では、税金の対象となるのはあくまで 利益(譲渡所得) です。
「2,000万円で売却したら税金がかかる」と誤解されることがありますが、
利益が出なければ課税なし(0円) です。
特に、相続した古家、築古物件、過疎地の土地などは、
取得費が不明 → 概算取得費5%が適用されて利益が大きく見えてしまう
というケースもあります。
1-3 取得費に含められる主なもの
取得費とは、売却物件を“手に入れるためにかかった費用”のことです。
代表的な取得費は以下。
・購入時の売買代金
・仲介手数料
・登記費用(登録免許税・司法書士報酬)
・不動産取得税
・リフォーム・増築費用
・相続の場合の取得費(被相続人の取得費を引継ぐ)
ただし注意があります。
古い相続物件の場合、20〜30年前の書類が残っていないケースが多く、取得費を証明できないと “概算取得費(売却価格の5%)” が自動適用されます。
例えば2,000万円で売却した場合
→ 取得費は100万円(5%)とみなされてしまう
→ 結果、利益が大きくなり課税額が増える
こうした誤算が多いため、資料探しや税理士相談が重要です。
1-4 譲渡費用とは「売るためにかかった経費」
譲渡費用は以下のようなものです。
・不動産会社への仲介手数料
・測量費
・建物解体費
・広告費
・印紙税(契約書の印紙)
・売主負担で行った修繕費(売却目的)
特に、福岡市や糟屋郡では、古い家を更地にして売るケースが増えており、解体費が経費になる点はよく相談されます。
1-5 結局「どれくらい利益が出ると税金が発生するのか?」
簡単に目安を示します。
▼ 取得費+譲渡費用 ≒ 売却額
→ 利益なし → 税金0円
▼ 利益100万円前後
→ 税金は10〜20万円程度(所有期間による)
▼ 利益500万円
→ 税金は約76万円〜126万円
▼ 利益1,000万円
→ 税金は約152万円〜253万円
(※短期・長期、特例適用により大きく変動)
この幅の大きさこそが、不動産売却税制の難しいところです。
1-6 税金の計算を左右するのは「所有期間」
不動産売却で最も重要ともいえるのが 所有期間 の考え方。
結論から言うと──
5年以下 → 税率39.63%(短期)
5年以上 → 税率20.315%(長期)
同じ1,000万円の利益でも、
短期:396万円の税金
長期:203万円の税金
と約200万円の差になります。
所有期間は「実際に住んだ期間」ではなく、
取得した日(登記日)から売った年の1月1日までの期間 です。
これは誤解されやすく、福岡での相談でもしばしば問題になります。
1-7 居住用不動産には“最強の特例”がある
マイホームを売却した場合は、
・3,000万円特別控除
・軽減税率の特例
・買い替え特例
が使え、税額を大幅に減らすことが可能です。
例えば、利益が2,500万円の場合でも──
→ 3,000万円特別控除が適用されれば税金0円
実際、福岡市でもこの特例で「税金ゼロ」で売却した事例は多くあります。
1-8 相続物件は税額が変動しやすい理由
相続物件の税金が読みづらい理由は以下:
・古くて取得費が不明
・修繕履歴がない
・相続人が複数
・特例(空き家3000万円控除)の利用可否が複雑
・解体・測量・境界問題が絡むことが多い
そのため、売却の前段階で専門家に相談し、
「利益がいくらか?」「税金がどの程度か?」
を事前に把握することが非常に重要になります。

第2章 不動産売却で課税される3つの税金
不動産を売却し利益(譲渡所得)が出た場合、実際には3つの税金が課税されます。
ただし、名前が似ており複雑に見えるため、ここでは「何に対して・どのくらい・いつ支払うか」を、実務で使う視点から丁寧に整理していきます。
不動産売却の税金は以下の3つです。
・所得税(譲渡所得税)
・復興特別所得税(所得税の2.1%)
・住民税(譲渡所得割)
この3つは「まとめて請求される」のではなく、申告・納付のタイミングも異なる点がポイントになります。
2-1 所得税(譲渡所得税)とは何か?
所得税は「利益に対してかかる国税」です。
不動産売却時に発生する利益(譲渡所得)に税率を掛けて計算します。
税率は所有期間によって大きく変わります。
■ 所得税の税率(基本)
| 所有期間 | 区分 | 所得税率 |
|---|---|---|
| 5年以下 | 短期譲渡 | 30% |
| 5年超 | 長期譲渡 | 15% |
同じ利益でも、所有期間だけで2倍違うことがあるため、この所有期間ルールは非常に重要です。
※所有期間は「取得した日から売却した年の1月1日時点で5年を超えているか」で判定します。
2-2 復興特別所得税は“所得税の2.1%”上乗せ
復興特別所得税とは、東日本大震災からの復興財源を確保するために導入されたものです。
これは単独の税金として課されるのではなく、所得税に対して2.1%が上乗せされます。
■ 所得税 × 2.1% = 復興特別所得税
例)長期譲渡(所得税15%)の場合
→ 15% × 2.1% = 0.315%
例)短期譲渡(所得税30%)の場合
→ 30% × 2.1% = 0.63%
この結果、
長期:所得税15%+復興税0.315%
短期:所得税30%+復興税0.63%
となります。
2-3 住民税(譲渡所得割)とは?
住民税は、利益に対してかかる地方税です。
こちらも所有期間により税率が変わります。
■ 住民税の税率
| 所有期間 | 区分 | 住民税率 |
|---|---|---|
| 短期(5年以下) | 短期譲渡 | 9% |
| 長期(5年超) | 長期譲渡 | 5% |
2-4 3つの税金をまとめると“最終税率”はこうなる
所得税(+復興税)と住民税を合計すると、
不動産売却にかかる最終的な税率はこうなります。
♦短期譲渡(所有5年以下)
-
所得税:30%
-
復興特別所得税:0.63%
-
住民税:9%
合計:39.63%
♦長期譲渡(所有5年超)
-
所得税:15%
-
復興特別所得税:0.315%
-
住民税:5%
合計:20.315%
短期か長期かで税率が約2倍違うのは、この合計税率のためです。
不動産の売却相談では、
「あと2ヶ月待てば長期になり税率が半額に下がる」
というケースが珍しくありません。
福岡市東区・城南区・糟屋郡あたりでも、実際にこの判断で、
200万円以上税額が変わった事例はよくあります。
2-5 税金は“一括で払う”のではなく、タイミングがバラバラ
意外に知られていないポイントとして、
3つの税金はまとめて払うわけではありません。
▼ 所得税+復興税 → 売却翌年3月15日までの確定申告で納付
▼ 住民税 → さらに翌年6月頃に別途納付書が届く
つまり、
売却:2025年
所得税の支払い:2026年3月
住民税の支払い:2026年6月
となります。
住民税は売却の翌々年に来るため、「忘れた頃に請求が来る」という点は、実務でよくトラブルになります。
2-6 実際の税額イメージ(利益500万円の場合)
所有期間によって税額がどれほど変わるのか、具体例で示します。
■ 長期譲渡(5年超)
税率20.315%
→ 約101.5万円
■ 短期譲渡(5年以下)
税率39.63%
→ 約198.1万円
同じ利益でも、所有期間の違いだけで約100万円差が生まれます。
買い替えや住み替えを検討している場合、
これを踏まえて売却時期を調整するのは非常に有効です。
2-7 税額が大きく変わる“特例”との関係
不動産売却では、特例の有無によって税額が劇的に変わります。
代表的な特例は以下:
・居住用財産の3,000万円特別控除
・軽減税率の特例
・買い替え特例
・相続空き家の3,000万円控除
・事業用資産の買換え特例
第3章ではこれらの特例をすべて体系的に整理し、
「どれを使うと税金がいくら減るのか」「どういう条件で利用できるのか」を詳しく解説していきます。
第3章 不動産売却時に使える主要な特例と節税効果
(3,000万円特別控除・軽減税率・相続空き家控除など)
不動産売却に関する税金で最も大きな影響力を持つのが「特例」の存在です。
実務では「特例を使えば税金がゼロになる」「使えなければ数百万円の税金が発生する」というケースは日常的にあります。
特に福岡市や糟屋郡・春日市などでは、
相続物件の売却、住み替え、古家解体後の土地処分などが増えているため、
この章では 主要な特例を実務ベースで分かりやすく体系化して解説します。
3-1 居住用財産の3,000万円特別控除(節税特例)
不動産売却における絶対的な王者ともいえる特例が、居住用財産の3,000万円特別控除 です。
簡単に言えば、マイホームを売った利益から最大3,000万円を引ける
という節税ルールです。
▼ 適用例
利益2,800万円
→ 3,000万円控除で 課税なし(税金0円)
利益5,000万円
→ 課税対象は 2,000万円だけ(5,000−3,000)
▼ 利用できる主な条件
-
自分が住んでいた住宅であること(過去に居住していた場合も可)
-
売却した年の前々年以前に、同じ特例を受けていないこと
-
家屋を取り壊して土地だけ売る場合も条件付きで適用可能
-
家屋の貸出期間が長期の場合は注意(賃貸収入がメインのときなど)
福岡市でも、「数年前まで住んでいた家を売却する」ことでこの特例を利用し、
税金ゼロでの売却成功例は非常に多いです。
3-2 軽減税率の特例(所有期間10年以上で大きな節税に)
もう一つ非常に強力なのが、
所有期間10年以上の自宅を売却すると税率が下がるという軽減税率の特例です。
▼ 軽減税率(自宅のみ)
| 課税所得金額 | 税率(所得税+住民税+復興税) |
|---|---|
| 3,000万円以下 | 14.21% |
| 3,000万円超 | 20.315% |
(通常の長期譲渡は20.315%)
3,000万円控除と併用できるため、
利益が大きい売却の場合に効果が絶大です。
3-3 買い替え特例(課税を先送りする仕組み)
「売って買い替える」ケースでは、
利用を検討する価値がある特例です。
買い替え特例は、
売却益に対する課税を“次に買う物件へ先送り”する制度です。
▼ 主なポイント
-
税金が後ろ倒しになる(ゼロになるわけではない)
-
要件が多く、適用には注意が必要
-
売却 → 新居購入のタイミングが重要
-
住宅ローン控除にも影響することがある
住み替えが必須の方に向いていますが、
現場では税理士との連携が欠かせない制度です。
3-4 相続空き家の3,000万円控除(需要急増の特例)
福岡でも利用相談が急増しているのが、
相続した空き家を売るときの3,000万円控除です。
▼ 適用条件(簡易版)
-
相続した空き家で、かつ一定の耐震性基準を満たす
-
必要に応じて解体して土地のみで売却してもOK
-
相続開始から3年以内の売却
-
被相続人が老人ホーム等に入居の場合の特例もあり
特に、糟屋郡・春日市・筑紫野市などで、老朽化した相続空き家を売却するケースが増えており、
この特例を使うことで税金ゼロ〜大幅軽減が可能になります。
▼ 注意点
-
耐震基準適合証明の取得
-
解体業者のマニフェスト管理
-
相続人が複数いる場合の調整
-
相続登記の遅延による売却遅れ
実務では、相続案件は書類の多さや手続きの複雑さから時間がかかりやすく、
「特例期限に間に合わなかった」という失敗例もあります。
3-5 事業用資産の買換え特例(中小企業向け)
土地や店舗、賃貸物件などを持つ事業者向けの特例です。
▼ 主なポイント
-
売却益の80%~100%を非課税で繰延べできる
-
中小企業の事業継続に有用
-
居住用とは違う要件・対象範囲
-
税務署への事前届出が必要な場合もある
福岡では、「古い賃貸アパートを売って新しい物件へ買い替える」
「事務所を移転するため土地を売る」といったケースで利用されています。
3-6 譲渡損失の繰越控除(損失も節税になる)
不動産を売却して損が出た場合にも特例があります。
▼ 損失が出ると何ができる?
-
譲渡損失は給与所得などと相殺できる
-
相殺しきれなかった損失は翌年以降3年間繰り越せる
-
自宅売却時は特例が手厚い
「売って損した」はそのままではなく、
税金の節税材料になるというのは大切なポイントです。
3-7 特例は併用の可否が難しく、戦略が必要
特例は組み合わせによって併用できたり、
逆に併用できない組み合わせがあったりします。
実務では、「税金が減るから」と安易に特例を選ぶと逆に損するというケースもあります。
例)
3,000万円控除 × 買い替え特例 → 併用不可
3,000万円控除 × 軽減税率 → 併用可
事業用買換え特例 × 居住用控除 → 基本併用不可
そのため、売却戦略は以下の流れで考えるのが最適です。
▼ 売却戦略の考え方
-
利益(譲渡所得)の概算を計算する
-
特例の適用可能性をすべてチェックする
-
併用可否を整理する
-
最適な売却時期を判断する(所有期間・相続期限)
-
税金が最大限減る売却プランを立てる
これは、不動産売却を失敗しないための“売却計画の核心部分”です。
第4章 不動産売却の税金で失敗しないための実務ポイント
(必要書類・支払い時期・落とし穴・売却前に確認すべきこと)
不動産売却は、一見「売って終わり」のように感じられますが、
本当に大切なのは 売却した後 にやってくる“税金・申告・書類管理”です。
現場でよく耳にするのは、
「売れたのはいいけど、税金が思ったより高かった」
「申告が遅れて追徴課税になった」
「特例が使えると知らずに数百万円損した」
といった、売却後のトラブルです。
この章では、不動産売却の税金で後悔しないために、実務で確実に押さえておくべきポイントを徹底解説します。
4-1 不動産売却後に必要な“確定申告の流れと提出書類”
不動産売却で利益が出た場合、必ず確定申告が必要です。
(利益が出なかった場合でも、特例を使うときは申告が必要)
確定申告の作業は、売却翌年の2月〜3月に行います。
4-1-1 確定申告に必要な主な書類
実際の申告で必要になる書類は次のとおりです。
▼ 必須書類一覧
-
売買契約書(コピー可)
-
仲介手数料の領収書
-
登記簿謄本(登記事項証明書)
-
取得費を証明する書類(購入時契約書、領収書、リフォーム領収書など)
-
譲渡費用の領収書(測量・解体・広告など)
-
住民票(居住用特例を使う場合)
-
耐震基準適合証明書(相続空き家特例)
-
マンションの場合は管理費・修繕積立金の証明書
-
代理人申請の場合の委任状
取得費の資料が古くて出てこない場合、
福岡では市税事務所・法務局・施工会社などを回って調べ直すケースもよくあります。
4-1-2 書類が揃わない場合の対処法
実務でよくある問題がこれです。
・20年以上前の相続物件
・書類の保管者が亡くなっている
・不動産会社が廃業している
・リフォーム会社の記録が残っていない
こうした場合は、
概算取得費(売却価格の5%を取得費とみなす) が適用されてしまいます。
概算取得費は取得費が極端に小さくなるため、利益が大きくなり税額が大きく跳ね上がります。
※例
売却価格2000万円
→ 概算取得費は100万円
→ 概算が適用されると税金が100万円以上増えることも珍しくない
そのため、売却の前段階で
取得費の証拠集めを早めに動くのがとても重要です。
4-2 不動産売却後の“税金の支払い時期”はバラバラに来る
すべての税金を一括で払うわけではありません。時期が各々異なるので注意が必要です。
4-2-1 所得税(+復興税)の支払時期
売却翌年の2月〜3月の確定申告で納付。
口座振替にすれば3月中旬頃に引き落とし。
4-2-2 住民税の支払時期
住民税は 売却翌年の6月頃 に
自治体から納付書が届きます。
売却の翌年ではなく、
「売却の翌々年に来た」と勘違いする人が多いので要注意です。
(例)2025年に売却
→ 所得税:2026年3月
→ 住民税:2026年6月
4-2-3 確定申告を忘れるとどうなる?
・無申告加算税
・延滞税
・特例が使えなくなる
などのリスクがあります。
特に居住用3000万円控除を申告忘れで適用できなくなるというのは、全国で毎年起きている重大なミスです。
4-3 不動産売却税制でよくある“落とし穴”
税務相談や売却相談の現場で、特に多いトラブルをまとめました。
4-3-1 落とし穴①:所有期間の数え方の勘違い
最も多いのがこれです。
所有期間は取得日 → 売却した年の1月1日までの期間で判断します。
「引き渡し日」「住んでいた期間」ではありません。
あと数ヶ月で長期譲渡(税率半分)というケースは本当によくあります。
4-3-2 落とし穴②:取得費の減少で予想以上の課税
取得費が証明できない
→ 概算取得費(5%)が適用
→ 税金が増える
特に相続物件では、このパターンが非常に多いです。
4-3-3 落とし穴③:賃貸に出したら3,000万円控除が使えなくなるケース
短期間の貸出しは問題ありませんが、
長期間の賃貸状態になると「居住用」と認められなくなる場合があります。
実際に福岡でも、
「数年間賃貸にした後に売却したため特例不可」
となり、税金が300万円増えたケースがありました。
4-3-4 落とし穴④:相続空き家特例は“期限”がシビア
条件のひとつが相続開始から3年以内の売却ここが最も問題になります。
・相続人が多い
・遺品整理に時間がかかる
・解体が遅れる
・遺産分割協議書が完成しない
こうした理由で「期限に間に合わない」事例は非常に多いです。
4-3-5 落とし穴⑤:特例の併用不可を知らずに損する
・3,000万円控除 × 買換特例 → 併用不可
・相続空き家3,000万円控除 × 軽減税率 → ケースにより不可
・賃貸化期間があると軽減税率不可
・新居購入時の住宅ローン控除への影響
特例は“組み合わせの相性”が非常に重要です。
4-4 売却前に必ず確認すべきチェックリスト(実務用)
税金に関して、売却前に最低限チェックすべき項目をまとめます。
4-4-1 所有期間関連
・取得日はいつか?(登記簿で確認)
・売却年の1月1日時点で何年か?
・5年超になる前に売る必要があるのか?
・待てば長期になり税率が下がるのか?
4-4-2 取得費関連
・購入契約書は残っているか?
・リフォーム領収書はあるか?
・不動産取得税、登記費用の証明書はあるか?
・相続の場合、被相続人の資料は残っているか?
4-4-3 特例の適用可否
・居住用3,000万円控除は使えるか?
・空き家3,000万円控除は使えるか?
・軽減税率(所有10年以上)は満たしているか?
・買い替え予定はあるか?
・特例の併用可否に問題はないか?
4-4-4 その他の重要事項
・解体する場合の工程確認(マニフェスト必須)
・境界確定の有無(測量が必要か)
・相続登記を先に行うか
・土地と建物の按分は妥当か
・共有名義の調整は済んでいるか
不動産売却のトラブルの多くは、売る前の準備不足が原因です。
まとめ
不動産の売却は、一生のうち何度も経験するものではありません。
そのため、多くの方が「売れたから安心した」と思ってしまいがちですが、本当の勝負は 売却後の税金・申告・書類管理 にあります。
あなたがどれだけ良い条件で売却できても、税金の知識が不足しているだけで何十万円、時には数百万円も“知らない損” が生まれてしまいます。
しかし今回の記事で解説した「譲渡所得の考え方」「税率の仕組み」「特例の活用」
これらを理解しておけば、売却時に不安なく、冷静な判断ができるようになります。
■ 不動産売却の税金を正しく理解することは“資産防衛”である
不動産は、あなたやご家族の大切な資産です。
売却して終わりではなく、その資産をどう守り、どう活かすかまで考えてこそ、
本当の意味での「資産形成・資産防衛」といえます。
税金を正しく理解することは、
・不必要な損失を避け
・今後の生活費や次の投資、相続にも活用できる資金を確保する
ための“防御力そのもの”です。
不動産売却は、単なる取引ではなく あなたの人生設計に深く関わる決断 であることを、
改めて意識していただきたいと思います。
■ 3,000万円控除・軽減税率・相続特例──
これらは“使った人だけ”が恩恵を受けられる
不動産の税制は、正直に言うと難しいものです。
しかしその一方で、理解さえできれば、
あなたに味方してくれる強力な武器にもなります。
たとえば──
● 3,000万円控除
→ 利益がいくらあっても、3,000万円まで非課税。
● 軽減税率
→ 長期譲渡の20.315%が、14.21%まで下がる。
● 相続空き家3,000万円控除
→ 古い実家でも、条件を整えれば大幅な節税が可能。
これらは「知らない人は使えない」「知っている人だけが得をする」制度です。
国は救済策を用意してくれていますが、その扉を開くカギは 売主自身の知識と準備 に委ねられています。
■ 実務で本当に重要なのは“売却前の準備”である
福岡市・糟屋郡・北九州・久留米など、地域を問わず不動産売却の現場を見ていると、成功する方には共通点があります。
それは──
売却前の準備を怠らないこと。
・取得費の確認・書類の発掘
・所有期間のチェック
・賃貸履歴の整理
・相続登記の完了
・測量・境界確定
・解体の必要性の判断
・特例の併用可否の確認
これらを丁寧に行うことで、税金面・手続き面・法務面・価格面すべてが整い、
「高く・早く・安全に」売却するための道筋が整います。
逆に、この準備を怠るだけで、
・税額が数百万円増える
・特例期限に間に合わなくなる
・想定外の測量トラブル
・契約直前の価格調整
といった不測の事態に巻き込まれることがあります。
不動産売却は“段取りがすべて”といっても過言ではありません。
■ 税金知識は、売主にとっての“交渉力”にもなる
たとえば、
・解体費を誰が負担するか
・リフォーム履歴をどう扱うか
・譲渡費用の整理
・税率が変わるタイミングでの売却時期調整
・相続手続きの順序
などは、税金の理解があるだけで、
不動産会社との相談、税理士との面談、買主との交渉すべてがスムーズに進みます。
知識を持つことは売主の立場を強くし、不利な条件を避けるための「盾」にも「槍」にもなります。
■ 不動産売却で得られる結果は“情報量”によって大きく変わる
今回の記事で触れたように、
不動産売却の税金は複雑で、個別性が非常に高いものです。
同じ売却金額でも──
・Aさんは税金ゼロ
・Bさんは200万円の納税
という差が普通に出ます。
違いは 情報量と準備の差 だけです。
だからこそ、不動産売却に関する知識は「専門家がやるもの」と思わず、最低限は売主自身が理解しておくことが大切です。
■ 最後に──不動産会社としてあなたに伝えたいこと
不動産の売却は、人生の中で数えるほどしか訪れない大きな決断です。
だからこそ私たちは、
「売れればそれで終わり」という姿勢ではなく、
売却後のあなたの生活・資金・将来まで見据えたサポートが必要だと考えています。
もしあなたが今、
・いくらで売れるか
・税金がどれくらいになるか
・売却時期をどうするか
・相続物件をどう扱うか
・特例が使えるかどうか
・書類が足りるか不安
こうした迷いを抱えているなら、決して一人で抱え込む必要はありません。
不動産売却は、“あなたの資産を最大限守りながら前へ進むためのプロセス”です。
そしてそれを実現するためには、経験・知識・地域の状況・実務に精通した不動産会社の伴走が欠かせません。
あなたの物件、あなたの事情、あなたの将来に合わせた最適な売却戦略を一緒に考え、
「売ってよかった」と心から思える結果に導くこと。
それこそが、不動産会社としての私たちの責任であり、使命です。
どうか、迷ったときは専門家を頼ってください。
あなたの不動産売却が、安心と納得のもとで成功することを心から願っています。
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