株式会社エム不動産

家を買うとき「資産価値」はどこまで気にするべき?住みたい家と売りやすい家は同じなのか

>>無料査定・お問い合わせ

家を買うとき「資産価値」はどこまで気にするべき?住みたい家と売りやすい家は同じなのか

家を買うとき「資産価値」はどこまで気にするべき?住みたい家と売りやすい家は同じなのか

2026/09/14

はじめに

住宅を購入するとき、「せっかく買うなら資産価値の高い家を選んだ方がいい」という話を耳にすることがあります。駅から近い、人気のある地域にある、土地の需要が高い、将来売却しやすい。こうした条件を備えた住宅は、確かに将来の売却を考えるうえでは魅力があります。一方で、実際に家を探している人が大切にしている条件は、それだけではありません。静かな場所で暮らしたい、庭のある家が欲しい、通勤時間より子育て環境を優先したい、趣味の部屋を確保したい、実家の近くに住みたいなど、住宅に求めるものは家族によって大きく異なります。

ここで難しいのが、「住みたい家」と「売りやすい家」が必ずしも一致しないことです。駅から多少離れていても、広い土地と庭がある住宅を好む人はいます。反対に、自分たちにとって理想的な間取りや設備であっても、それが将来の買主にとって同じように魅力的とは限りません。住宅には、そこで暮らす人にとっての価値と、不動産市場で取引されるときの価値という二つの側面があります。

国土交通省も既存住宅について、住宅の品質や性能が取引価格や金融機関の担保評価へ適切に反映され、住宅の資産価値が長期的に維持される環境づくりが必要だとしてきました。また、中古戸建住宅については、築年数だけで一律に評価するのではなく、住宅の性能や維持管理、リフォームなどを適切に評価する方向性も示されています。つまり「新しいから価値がある」「古くなれば価値がなくなる」という単純な考え方だけでは、中古住宅の価値を十分に説明できません。

住宅購入で本当に考えたいのは、「資産価値の高い家を選ぶか、好きな家を選ぶか」という二者択一ではなく、自分たちの暮らしを大切にしながら、将来の選択肢をどこまで残しておくかというバランスです。 住宅は金融商品とは違い、購入した翌日から毎日の生活の舞台になります。その一方で、転勤、家族構成の変化、相続、老後などによって、いつか売却する可能性もあります。

この記事では、住宅における「資産価値」とはそもそも何を意味するのか、どのような住宅が市場で評価されやすいのか、暮らしやすさと売りやすさが食い違ったときにどう考えればよいのかを整理します。資産価値だけに振り回されるのでもなく、将来のことをまったく考えないのでもない、自分たちなりの住宅選びの基準を考えていきましょう。

 

 

 

 

 

第1章:そもそも住宅の「資産価値」とは何なのか

 

1-1. 購入価格と将来の売却価格は同じではない

4,000万円で購入した住宅だから、10年後にも4,000万円の価値があるとは限りません。反対に、購入後に周辺の土地需要が高まったことで、購入時と比べて価格が大きく下がらないこともあります。不動産の価格は購入時点で固定されるものではなく、その時々の市場環境、周辺需要、土地価格、建物状態などによって変化します。

住宅の資産価値を考えるときには、まず土地と建物を分けて考えると理解しやすくなります。土地は建物のように築年数によって物理的に劣化するものではありませんが、地域の需要や人口、利便性、周辺環境、土地形状、接道条件などによって評価が変わります。一方、建物は年月とともに設備や内外装が劣化するため、一般的には新築時と同じ評価が続くわけではありません。

ただし、中古戸建住宅の建物評価についても、単純に築年数だけで判断すべきではないという考え方が広がっています。国土交通省は中古戸建住宅について、個別の住宅の状態にかかわらず築後20~25年程度で市場価値をゼロとみなす従来の評価慣行を課題として挙げ、住宅の性能や維持管理、リフォームなどを評価へ反映させる方向性を示しています。

住宅の資産価値とは「購入価格がそのまま残ること」ではなく、将来その住宅を市場に出したとき、どの程度の需要と評価を得られるかという相対的な考え方です。 そのため、「値下がりしない家」を完全に予測することはできません。購入時には、将来の価格そのものを当てようとするより、価格を支える条件が何なのかを理解しておくことの方が現実的です。

 

1-2. 土地の価値と建物の価値は動き方が違う

戸建住宅を購入すると、「土地付きの家」という一つの商品として価格を見ることが多いでしょう。しかし将来の資産価値を考える場合には、土地と建物を分けて考えることが重要です。土地は立地や面積、形状、接道、用途地域などによって評価されますが、建物は築年数、構造、間取り、施工状態、維持管理、修繕履歴などが評価に関係します。

例えば同じ4,000万円の戸建住宅でも、「土地3,000万円+建物1,000万円程度の評価」と考えられる物件と、「土地1,500万円+建物2,500万円程度の評価」と考えられる物件では、将来の価格変化の仕方が同じとは限りません。もちろん実際の売買価格がこのように明確に分解されるわけではありませんが、資産価値を理解するための考え方としては有効です。

特に注文住宅では、建築時に多額の費用をかけた設備や仕様が、そのまま中古市場で同額評価されるとは限りません。高級なキッチン、特殊な造作家具、こだわった素材などは、所有者にとって非常に価値が高くても、購入希望者が同じ価値を感じるとは限らないからです。一方で、適切な維持管理や修繕によって建物の状態が良好に保たれていることは、中古住宅としての安心材料になり得ます。

土地は主に「その場所を欲しい人がいるか」、建物は「その建物を今後も使いたい人がいるか」という異なる視点から評価されると考えると、住宅の資産価値を理解しやすくなります。 土地と建物を一つの数字だけで見るのではなく、それぞれ何が価値を支えているのかを確認することが重要です。

 

1-3. 「値下がりしにくい」と「値上がりする」は別の話

資産価値という言葉から、「将来値上がりする住宅」を想像する人もいるでしょう。しかし、自宅として購入する住宅では、値上がりを前提に購入判断をすることには慎重さが必要です。不動産価格は金利、景気、人口動態、住宅供給、再開発、周辺環境など多くの要因によって変化するため、将来の価格を正確に予測することはできません。

むしろ一般の住宅購入者が考えやすいのは、「将来値上がりするか」より「大きく価値を失いにくい条件があるか」という視点です。交通利便性が高い、生活施設が充実している、幅広い世帯が検討できる間取りである、土地利用上の大きな制約が少ないといった条件は、将来の購入希望者の幅を保ちやすくします。

ただし、こうした条件も絶対ではありません。駅から近くても周辺環境によって好みが分かれることがありますし、郊外でも商業施設や学校、道路環境などが整っている住宅地には一定の需要があります。福岡県内でも、福岡市中心部、福岡都市圏の住宅地、郊外、地方都市では住宅需要の構造が異なります。

資産価値を考えるときは「将来いくらになるか」を予想するより、「将来売ることになったときにも、この家を欲しいと思う人が一定数いそうか」を考える方が実践的です。 資産価値とは価格予想だけではなく、将来の市場での選ばれやすさでもあります。

 

1-4. 資産価値には数字に表れない部分もある

住宅の価値は、売却価格だけで測れるものではありません。通勤時間が短くなった、子どもが安心して遊べる庭ができた、家族が集まるリビングを持てた、趣味を楽しめる場所ができたという生活上の価値は、不動産価格の数字には直接表れません。

例えば、駅から徒歩5分の70㎡の住宅と、駅から車で15分の120㎡の住宅があったとします。一般的な流通性では駅近住宅が有利になる可能性があります。しかし、在宅勤務が中心で、広い庭や作業スペースを求めている家庭にとっては後者の方が生活価値は高いでしょう。

住宅購入は投資用不動産の購入とは目的が異なります。自宅の場合、保有期間中に得られるものは売却益だけではなく、その家で何年、どのような暮らしを送ったかという利用価値があります。そこを無視して資産価値だけを追求すると、毎日の生活に合わない住宅を選ぶ可能性があります。

自宅の価値は「いくらで売れるか」だけではなく、「そこで暮らしている期間にどれだけ自分たちの生活を支えてくれるか」まで含めて考える必要があります。 この視点を持つと、資産価値を気にすることと好きな家を選ぶことは、必ずしも対立するものではないと分かります。

 

 

 

 

 

第2章:「売りやすい家」は何が違うのか

 

2-1. 売りやすさを左右するのは「買える人の多さ」

売却しやすい住宅にはさまざまな特徴がありますが、根本にあるのは「その住宅を購入候補にできる人がどれだけいるか」という考え方です。駅から近い住宅が評価されやすいのも、通勤・通学を重視する多くの人が検討できるからです。一般的な3LDKや4LDKが流通しやすいことがあるのも、単身者からファミリーまで比較的幅広い層が使い方を想像しやすいからでしょう。

反対に、極端に特殊な住宅は購入者が限定されます。例えば非常に広い一室を中心とした間取り、仕事専用設備を大きく組み込んだ住宅、趣味のために大部分を改装した住宅などは、それを求める人には魅力的でも、一般的な住宅を探す人には使いにくい可能性があります。

土地についても同じです。整形地で道路との高低差が少なく、一般的な住宅を建てやすい土地は、多くの購入者が利用方法を想像できます。一方、旗竿地、急傾斜地、大きな高低差のある土地、特殊な形状の土地などは、価格が適切であれば需要はありますが、検討できる人が少なくなる可能性があります。

「売りやすい家」とは必ずしも最高級の家ではなく、将来売り出したときに多くの人が「自分でも暮らせそうだ」と想像できる住宅です。 資産価値を考える際には、豪華さよりも市場の広さという視点を持つことが重要です。

 

2-2. 立地は変えることができない

住宅購入後にキッチンを交換することはできます。壁紙や床を張り替えることも、間取りを変更することも、一定の範囲では可能です。しかし、購入した土地の場所そのものを変えることはできません。そのため資産価値を考えるうえでは、立地が大きな要素になります。

立地というと駅徒歩何分という数字だけに目が向きがちですが、実際にはもっと幅広い要素があります。買い物施設、学校、病院、道路環境、公共交通、周辺の街並み、騒音、災害リスクなども住宅選びに関係します。戸建住宅では、前面道路の幅員や接道状況、土地の高低差なども将来の利用や建替えに影響することがあります。

福岡では特に、福岡市中心部とその周辺だけでなく、糟屋郡、古賀市、福津市、宗像市、筑紫野市、大野城市、糸島市など、都市部へのアクセスと郊外ならではの住環境を組み合わせた住宅地があります。同じ「駅から遠い」という条件でも、車移動を前提とする地域と公共交通中心の地域では市場での意味が違います。

購入後に変えられる条件と変えられない条件を分けるなら、立地・土地形状・接道・周辺環境などは特に慎重に確認したい「後から変えにくい条件」です。 内装の好み以上に、こうした条件が長期的な売りやすさへ影響する場合があります。

 

2-3. 建物は「古いか」だけでなく「どう使われてきたか」

中古住宅を見るとき、築年数は非常に分かりやすい数字です。築5年、築15年、築30年と表示されていれば、誰でも比較できます。しかし実際の建物状態は築年数だけでは判断できません。同じ築20年でも、定期的に外壁や屋根、防水、設備などを手入れしてきた住宅と、ほとんど維持管理されていない住宅では状態が異なることがあります。

国土交通省も既存住宅について、品質や性能が分かりやすく評価され、取引価格や金融機関の担保評価に適切に反映される環境づくりを進めています。また、建物状況調査、住宅性能表示、瑕疵保険、住宅履歴など、既存住宅の状態や品質を把握しやすくする制度も整備されてきました。

購入後の維持管理も将来の売却に関係します。住宅設備を交換したから必ずその費用分だけ売却価格が上がるわけではありませんが、雨漏りや腐食などを長期間放置して建物状態が悪化すれば、購入希望者が修繕費を考慮する可能性があります。

将来の資産価値を考えるなら、購入時に良い住宅を選ぶだけでなく、購入後にその住宅をどのように維持していくかも重要です。 「買った瞬間の条件」だけではなく、その後の所有期間まで含めて住宅の価値は形成されていきます。

 

2-4. 「万人受け」は強いが、万人受けだけで選ぶ必要はない

売却しやすさだけを考えるなら、極端な特徴がなく、多くの人が使いやすい住宅は有利です。しかし、それを突き詰めると、自分たちが本当に欲しかった住宅から離れてしまうことがあります。

例えば料理が好きな人なら、一般的な間取りより広いキッチンを優先したいかもしれません。猫と暮らす家庭なら、キャットウォークや脱走防止設備などを整えたいでしょう。車やバイクが趣味なら、居室面積よりガレージを優先することもあります。それらは必ずしも市場全体に必要な設備ではありませんが、その家族にとっては住宅を購入する大きな意味になります。

重要なのは、「個性的だからダメ」ではなく、その個性がどこまで元に戻せるかという視点です。壁紙や造作家具程度なら変更できますが、建物全体の構造に関係する特殊な間取りは変更に大きな費用がかかる場合があります。

自分たちの好みを住宅へ反映させること自体は問題ではなく、「将来別の人が住むときに変更できる余地を残しておく」という考え方が資産価値との上手な付き合い方です。 自分らしい住宅と売りやすい住宅の中間には、意外に広い選択肢があります。

 

 

 

 

 

 

第3章:「住みたい家」と「資産価値」がぶつかったらどう考えるか

 

3-1. 何年住むつもりなのかで答えは変わる

住宅の資産価値をどこまで重視すべきかは、その家にどれくらい住む予定なのかによって大きく変わります。数年後に転勤の可能性が高い家庭と、子育てから老後まで30年以上暮らす予定の家庭では、将来の売却可能性に対する考え方が同じである必要はありません。

例えば5年程度で住み替える可能性が高いなら、売却しやすさをかなり意識する意味があります。購入時と売却時には諸費用も発生するため、短期間で売却する住宅では価格変動の影響を受けやすいからです。反対に30年間暮らすのであれば、その30年間の生活満足度を犠牲にしてまで、現在の市場で最も売りやすい住宅を選ぶべきかは慎重に考える必要があります。

もちろん30年間住む予定だった人が10年後に売却することもあります。仕事、家族、介護、健康など人生には予測できない変化があります。そのため「一生住むから売却は考えない」と完全に切り離すのも危険です。

資産価値をどこまで重視するかを決める最初の基準は、「この家を何年くらい所有する可能性が高いのか」を考えることです。 期間が短いほど流動性を重視し、長いほど暮らしの価値を大きく考えるという整理が一つの目安になります。

 

3-2. 「駅近」と「広い郊外住宅」はどちらが正解なのか

住宅選びでよく起きる迷いが、利便性と広さの比較です。同じ予算なら、駅に近いコンパクトな住宅を選ぶか、駅から離れて土地と建物の広い住宅を選ぶか。この問題に全国共通の正解はありません。

駅近住宅は一般的に交通利便性を求める人から検討されやすく、将来の売却時にも一定の需要を期待しやすい側面があります。一方、郊外住宅には広い土地、駐車場、庭、静かな環境など都市部では得にくい価値があります。車中心の生活をしている家庭にとっては、駅徒歩時間より幹線道路へのアクセスや駐車台数の方が重要かもしれません。

福岡都市圏では、この違いが比較的分かりやすく現れます。福岡市内だけでなく周辺自治体にも住宅地が広がっており、通勤利便性と土地の広さのバランスを取りながら選ぶことができます。同じ予算でも地域によって取得できる土地面積や住宅規模が大きく異なるため、「資産価値が高そうだから」という理由だけで中心部に寄せる必要はありません。

大切なのは「どちらの資産価値が高いか」だけではなく、その地域で住宅を探す人が何を評価しているのかを理解したうえで、自分たちの暮らし方と照らし合わせることです。 郊外住宅にも郊外住宅として求められる条件があり、都市部とは異なる市場があります。

 

3-3. 資産価値を重視しすぎると「誰のための家か」が分からなくなる

住宅情報を調べ続けると、駅距離、地価、人口、再開発、将来性、売却価格など、多くの数字が気になってきます。もちろん重要な情報ですが、すべてを満たす住宅はほとんどありません。条件を追加するほど価格も高くなり、最終的には予算との調整が必要になります。

そこで起こりやすいのが、「将来売れる家を買おう」と考えすぎるあまり、現在の自分たちの生活条件が後回しになることです。通勤時間を短くするために狭い住宅を選んだものの在宅勤務が増えた、資産価値を優先して庭を諦めたものの子どもが生まれて庭が欲しくなった、といったことは十分に考えられます。

住宅は保有しているだけではなく、毎日使うものです。20年間暮らす住宅なら、その間に7,000日以上をそこで過ごします。将来の売却価格を数百万円高く保てたとしても、そのために長期間望まない生活を続けるのであれば、本当に得だったのかは金額だけでは判断できません。

自宅購入では「将来の買主に好かれる家」である前に、「現在の自分たちが暮らしたい家」であることを忘れないことが重要です。 資産価値は住宅選びの重要な条件の一つですが、住宅選びそのものの目的ではありません。

 

3-4. それでも「出口」を一度考えてから買う

資産価値だけで住宅を選ぶ必要はありませんが、購入前に一度だけ「もし売ることになったら」と考えてみることには大きな意味があります。不動産ではこれを出口戦略という言葉で説明することがありますが、自宅購入の場合はそれほど投資的に考える必要はありません。

例えば「10年後に売るとしたら、どんな人がこの家を買うだろう」と考えてみます。子育て世帯なのか、夫婦二人なのか、車を複数所有する家庭なのか。購入候補者の姿を想像できる住宅なら、一定の市場性を考えやすくなります。

さらに、売却以外に賃貸として貸せるかという視点もあります。ただし住宅ローン利用中の住宅を自由に賃貸できるとは限らず、金融機関との契約条件の確認が必要です。また、賃貸需要があることと、希望する賃料で貸せることも別問題です。

購入前に一度「この家を手放すとしたら誰が買うのか」を考えておくだけでも、資産価値を無視した住宅選びになることを防げます。 そのうえで「それでも私はこの家に住みたい」と思えるのであれば、それは十分に合理的な選択になり得ます。

 

 

 

 

 

 

第4章:後悔しにくい住宅購入のために確認したいこと

 

4-1. 「絶対に譲れない条件」と「できれば欲しい条件」を分ける

住宅探しを始めると、条件は増えていきます。駅徒歩10分以内、南向き、4LDK、駐車場2台、庭付き、築浅、学校まで近い、買い物施設も近い、と並べていけば、当然該当する住宅は少なくなります。そして条件を満たすほど価格も高くなる傾向があります。

そこで重要なのが、条件に優先順位を付けることです。「子どもの転校を避けるため学区は絶対」「仕事上、駐車場2台は必要」という条件と、「できれば南向き」「できれば新しいキッチン」という条件は同じ重さではありません。

さらに「購入後に変えられるか」という基準を加えると整理しやすくなります。キッチンや壁紙は交換できますが、駅までの距離は変えられません。3LDKを4LDKへ変更できる住宅もありますが、土地を後から広くすることは通常困難です。

住宅選びでは「好き・嫌い」だけでなく、「絶対必要か」「後から変更できるか」「将来の売却にも影響するか」という三つの視点で条件を整理すると判断しやすくなります。 これによって、自分たちの暮らしと資産価値を同じ表の中で比較できるようになります。

 

4-2. 購入価格だけでなく「売るときに困りそうな条件」を確認する

購入時には魅力的に見える住宅でも、売却時に説明が必要になる条件があります。再建築に関係する接道、私道、擁壁、高低差、越境、土地形状、ハザード、増改築履歴などです。これらがある住宅が売れないという意味ではありませんが、将来の買主も同じ条件を確認することになります。

例えば価格が周辺相場より安い住宅を見つけた場合、「お買い得」と考える前に、なぜその価格なのかを確認することが大切です。土地形状や接道などが理由であれば、その条件は自分が売却するときにも残っている可能性があります。

一方、内装が古いという理由で価格が抑えられている住宅なら、購入後にリフォームすることで自分たちに合った住宅にできる可能性があります。このように、「変えられない弱点」と「変えられる弱点」を分けると判断しやすくなります。

購入時に自分が気になった物件の弱点は、将来の買主も同じように気にする可能性があるという視点を持っておくことが重要です。 価格が安い理由を理解したうえで、それでも自分たちにとってメリットが大きいと判断するなら、十分に合理的な購入になります。

 

4-3. 住宅ローンでは「借りられる額」だけで判断しない

資産価値の高い住宅を求めると、購入価格が上がることがあります。「駅近なら売りやすいから多少高くても大丈夫」と考え、借入額を増やすケースも考えられます。しかし、将来売りやすい住宅であることと、現在の家計にとって無理のない住宅であることは別問題です。

住宅価格が維持されても、毎月の返済が生活を圧迫すれば、住宅購入の目的そのものが揺らいでしまいます。また、売却するときには仲介手数料などの費用がかかる場合があり、売却価格が住宅ローン残高を必ず上回るとも限りません。

そのため購入時には、「いくら借りられるか」だけではなく、今後の教育費、車の購入、修繕費、老後資金なども含めて考える必要があります。戸建住宅なら屋根・外壁・給湯設備など、マンションなら管理費・修繕積立金など、購入後にも住宅関連費用は続きます。

資産価値の高そうな住宅を無理して買うことより、将来の生活変化にも対応できる余裕を残した資金計画の方が、結果として住宅を手放さずに済む可能性を高めます。 資産価値は重要ですが、家計の安全性より上位に置くものではありません。

 

4-4. 最後は「この家を買わなかったら後悔するか」も考える

不動産会社から見る住宅と、そこで暮らす人から見る住宅には違いがあります。不動産会社は市場価格、流通性、土地条件、建物状態などを確認します。しかし最終的にそこで生活するのは購入者自身です。

例えば市場性だけを考えれば別の住宅の方が優れていても、家族の近くで暮らせる、子どもを転校させずに済む、長年憧れていた庭があるなど、その人にしか分からない価値があります。その価値を市場価格だけで否定する必要はありません。

一方で、「好きだから」という理由だけで法的条件や資金計画を無視するのも適切ではありません。重要なのは、リスクを知らずに購入することと、理解したうえで選択することを分けることです。価格が下がる可能性、売却しにくい可能性、維持費がかかる可能性を理解したうえで、それ以上の生活価値を感じるのであれば、それは一つの住宅購入の考え方です。

良い住宅購入とは、将来最も高く売れる家を当てることではなく、リスクを理解したうえで「この家を選んだ理由」を自分たちで説明できる購入だと考えられます。 資産価値はその判断を支える材料であって、住宅選びの答えそのものではありません。

 

 

 

 

 

まとめ

住宅を購入するとき、資産価値を意識すること自体は決して悪いことではありません。住宅は多くの人にとって人生でも大きな金額の買い物であり、将来売却する可能性もあります。転勤、子どもの独立、親との同居、離婚、相続、老後の住み替えなど、購入時には想定していなかった事情によって住宅を手放すこともあります。その意味では、「一生住む予定だから将来の価値はまったく考えない」という住宅選びには一定のリスクがあります。

一方で、資産価値を重視しすぎる住宅選びにも問題があります。自宅は投資商品のように保有して値動きを見るだけのものではありません。購入した日から、毎日そこで食事をし、眠り、家族と時間を過ごします。駅から5分近いことより庭があることに価値を感じる人もいれば、住宅の広さより通勤時間を短くすることを優先する人もいます。住宅の価値は、その人の生活によって変わります。

 

不動産市場で考える資産価値では、立地、土地条件、周辺需要、建物状態、間取りなどさまざまな要素が関係します。特に戸建住宅では、土地と建物を分けて考えることが重要です。土地は地域需要や接道、形状などが評価に影響し、建物は築年数だけでなく、性能、維持管理、修繕履歴なども関係します。国土交通省も、既存住宅について品質や性能、維持管理などが適切に評価され、取引価格や金融機関の担保評価へ反映される市場づくりを進めています。

また、現在の市場では「人気がある地域だから将来も必ず値上がりする」と断定することはできません。金利、人口、住宅供給、再開発、交通環境などによって市場は変化します。国土交通省が毎月公表している不動産価格指数も、実際の取引価格情報をもとに市場全体の動向を指数化するものであり、個々の住宅の将来価格を保証するものではありません。だからこそ、住宅購入者が将来の価格を正確に予測しようとすることには限界があります。

そこで資産価値を考えるときに有効なのが、「この住宅はいくら値上がりするだろう」ではなく、「将来売ることになったとき、この住宅を欲しい人はどのくらいいそうだろう」と考えることです。 駅から近い、生活施設が利用しやすい、土地条件に大きな問題がない、一般的に使いやすい間取りであるといった条件は、購入候補者の幅を保つことにつながります。一方、特殊な間取りや用途を限定する設備などは、それを好む人には非常に魅力的でも、将来の購入者を限定する可能性があります。

だからといって、すべてを「万人受け」にする必要もありません。住宅を購入する最大の目的は、自分たちがそこで暮らすことだからです。庭が欲しいなら庭を優先してもよいでしょう。趣味の部屋が必要なら、それを住宅選びの重要条件にして構いません。郊外の広い住宅で暮らしたい人が、資産価値だけを理由に都市部の狭い住宅を選ぶ必要もありません。

 

大切なのは、自分たちの好みを優先する部分と、将来の選択肢を残す部分を意識して分けることです。例えば内装や家具で個性を出しながら、建物そのものは将来変更しやすい間取りにするという方法があります。郊外を選ぶ場合でも、道路環境や生活施設、地域需要などを確認しておくことができます。庭の広さを優先する代わりに、接道や土地形状については慎重に確認するという考え方もできます。

そして購入前には、一度だけ将来の自分を想像してみてください。「もし10年後にこの家を売ることになったら、誰が買ってくれるだろう」。その問いにまったく答えが浮かばない住宅であれば、少し立ち止まって考える価値があります。反対に、一定の購入者像を想像でき、そのうえで自分たちも本当に暮らしたいと思えるのであれば、暮らしと市場性のバランスが取れている可能性があります。

自宅購入で目指したいのは「最も資産価値の高い住宅」ではなく、「自分たちが暮らしたいと思え、なおかつ将来の選択肢も完全には失わない住宅」です。 売るためだけに家を買う必要はありません。しかし、いつか売る可能性をほんの少し考えておくことで、住宅選びの見え方は変わります。

家は、数字だけでは測れない買い物です。朝どのような景色を見るのか、家族がどこに集まるのか、休日をどう過ごすのか、子どもがどのような場所で育つのか。その時間そのものにも住宅を所有する価値があります。将来の売却価格を意識しながらも、現在の暮らしを犠牲にしない。その両方を考えたうえで自分たちなりの答えを出すことが、長く納得できる住宅購入につながるのではないでしょうか。


不動産のことでお悩みはありませんか?

□ 売却について相談したい

□ 購入について相談したい

□ 相続・空き家について相談したい

□ 査定価格だけ知りたい

□ 活用方法を相談したい

□ 他社の提案と比較したい

まずはお気軽にご相談ください。

お客様一人ひとりの状況に合わせて、最適なご提案をいたします。

 

smileyお問い合わせはこちらからsmiley

 

----------------------------------------------------------------------
株式会社エム不動産
〒810-0001
福岡県福岡市中央区天神4-1-18 サンビル2F
電話番号 : 092-710-7316
FAX番号 : 092-510-7306


福岡市でマンション売却を実施

福岡市で土地売却に関してご案内

福岡市で戸建て売却のサポート

福岡市で早期売却を円滑に実現

----------------------------------------------------------------------

当店でご利用いただける電子決済のご案内

下記よりお選びいただけます。